東洋経済ONLINEに寄稿しました。
「EU崩壊」などは近視眼的な妄想に過ぎない
ヨーロッパは昔からいつもたいへんだった
12月4日、イタリアの国民投票はレンツィ首相(当時、12日にはジェンティローニ氏が外相から首相に就任)にノーを突きつけた。賛成41%、反対59%の大差でレンツィ首相の憲法改正提案を拒否し、首相は辞任した。首相の憲法改正提案に、反EU・脱ユーロを主張するポピュリスト政党「五つ星運動」が激しく反対した。そのためか、わが国では、イタリアの首相敗北はポピュリズム運動の勝利、というような解釈の論調も見受けられる。Brexit(ブレグジット・英国のEUからの離脱)や「トランプ勝利」の連想かもしれない。
だが、よく見てみると、そうでないことが分かる。
(本文より)
ぜひご覧ください。
国際問題研究の論文が公刊になり、オンライン版も掲載されました。
日本国際問題研究所(JIIA) 月刊誌 国際問題 2016年12月号
焦点:「深刻化する格差問題」
米国、日本、中国、EUそれぞれの格差問題を取り上げる
田中はこの中で「EUの格差」を担当しました。
格差問題については、EU先進国の中では、英国がとくにひどい印象である。失業手当は東欧並みの水準に切り下げられていて、「これで先進国か?」と首をひねりたくなるほど。キャメロン前首相とオズボーン前財務相が「戦後最大」といわれる財政カットを断行したことも大きく影響している。地域の所得格差も大きい。21世紀になるとEUは新自由主義の単一市場になってしまい、新規加盟した東欧の低賃金を利用して、本国の賃金も切り下げようとしたのであろうのであろうが、そのつけが今来ているのかもしれない。
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JIIA(国際問題研究所)のウエブサイトからご覧いただけます。
詳細につきましては、下記ウエブサイトをご覧ください。
論文のオンライン版(pdf)も、同ページよりダウンロードしていただけます。
http://www2.jiia.or.jp/BOOK/
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日々刻々と変化するヨーロッパ情勢。ユーロ経済の専門家・田中素香が、さまざまな視点からコメントしていきます。